実務経験(業務補助等、実務補習)
- Q1
公認会計士になるためには、どのような要件を満たす必要がありますか。
- A1
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以下の要件をすべて満たした者(公認会計士となる資格を有する者)は、日本公認会計士協会に備える公認会計士名簿に登録し、公認会計士となることができます。
(1)公認会計士試験に合格した者(免除された者を含む)であること
(2)実務経験(業務補助等)の期間が2年以上ある者であること
(3)実務補習を修了し、内閣総理大臣の確認を受けた者であること
- Q2
実務経験(業務補助等)について教えてください。
- A2
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公認会計士の登録要件である実務経験(業務補助等)には、業務補助と実務従事があり、この業務補助又は実務従事を通算して2年以上の期間行うことが必要です。 なお、実務経験を行う時期は、試験合格の前後を問いません。
(1)業務補助(監査証明業務について公認会計士又は監査法人を補助)
業務補助は、1年につき2以上の法人(当該法人が金融商品取引法の規定により、公認会計士又は監査法人の監査を受けることとなっている場合又は会社法に規定する会計監査人設置会社(資本金額が1億円を超える株式会社に限る。)である場合には1社以上)の監査証明業務を対象として行わなければなりません。なお、常勤、非常勤を問いません。
(2)実務従事(財務に関する監査、分析その他の実務に従事)
実務従事は、公認会計士の中核的業務である監査と類似した以下の業務が対象となります。なお、常勤、非常勤を問いません。
○ 実務従事に該当する業務一覧(具体例)
法令で定められた民間法人の業務 ●資本金額5億円以上の法人、開示会社又はこれらの連結子会社(海外の子会社を含む。)における、原価計算その他の財務分析に関する事務
一般企業(業種は問いません。)や学校法人・公益法人等の財務部門・経理部門等で財務分析等の仕事に従事(単純な経理事務や記帳業務等は不可)
●銀行や保険会社等における、貸付け、債務の保証その他これらに準ずる資金の運用に関する事務
実例 1.資本金額5億円以上の法人、開示会社又はこれらの連結子会社(海外の子会社を含む。)での実務従事の例
(1)決算に関する業務等
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○決算書類作成業務や海外子会社の財務諸表の分析に関する業務を担当した。
○有価証券・デリバティブ等金融商品に関する経理・決算業務やこれら金融商品に関するリスク管理に関する業務を担当した。
○月次・四半期決算の財務書類の作成や決算業績予想数値の算定に関する業務を担当した。
(2)予算実績の管理に関する業務等
○資金計画の企画・立案や経費予算の策定・実績管理に関する業務を担当した。
○自社損益管理制度の企画・立案や損益管理資料の分析に関する業務を担当した。
○海外支店や海外関連会社の業績把握(実績や予算管理)に関する業務を担当した。
○経営戦略の一環として行う新規事業の立ち上げにおける事業計画・収支計画の策定や子会社の財務分析・資金繰りに関する業務を担当した。
○子会社・関連会社の経営状態の把握、融資条件の検討や融資額の決定、本社の資金需給の把握や本社の事業計画(財務書類・資金運用表等)の策定・実績との差異分析に関する業務を担当した。
(3)工場の経理に関する業務等
○自社工場において、製品の原価管理を含む、当該工場の経理に関する業務を担当した。
○自社工場において、工場製品に係る原価企画・原価管理や予算実績管理に関する業務を担当した。
(4)他社(資本金額5億円以上の法人、開示会社又はこれらの連結子会社(海外の子会社を含む。))の財務分析に関する業務等
○証券アナリストとして、他社の財務分析や企業評価に関する業務を担当した。
○企業財務戦略や退職金・年金に係る財務・資産運用戦略の提案活動に関する業務、国内外の金融機関・年金基金等における財務戦略に係る調査や分析に関する業務を担当した。
○経営コンサルティングを目的として、他社の財務分析に関する業務を担当した。
○会社戦略の意思決定を行う会議(事業戦略会議、本部長会議等)への資料の提出を目的として同業他社や自社事業部の財務分析に関する業務を担当した。
(5)株式公開準備に関する業務等
○株式公開のための各種申請書類作成、予算作成、財政状態・リスク情報分析や原価計算に関する業務を担当した。
○株式公開のための各種申請書類作成や決算短信等作成に関する業務を担当した。
(6)内部監査・内部統制に関する業務
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○監査部門において、財務書類作成、資産査定、償却・引当などに係る内部監査に関する業務を担当した。
○監査部門において、財務報告に係る内部統制の評価範囲の決定、全社的な内部統制の評価・改善、業務プロセスの評価・改善に関する業務を担当した。
○コンサルタント会社において、財務書類の適正性を確保するための内部統制が適切か否かを調査する部門で、他社(資本金額5億円以上の法人、開示会社又はこれらの連結子会社(海外の子会社を含む。))に対して、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度への対応を目的とする内部統制評価支援に関する業務(内部統制上の問題点を改善する業務)を担当した。
2.「資本金額5億円以上の法人、開示会社又はこれらの連結子会社(海外の子会社を含む。)」以外の企業での実務従事の例
○コンサルタント会社において、顧客から依頼のあった評価対象企業(資本金額5億円以上の法人、開示会社又はこれらの連結子会社(海外の子会社を含む。))に関する株主資本価値評価等を目的とする財務分析に関する業務を担当した。
○経理業務の委託を受けている会社に勤務し、他社(資本金額5億円以上の法人、開示会社又はこれらの連結子会社(海外の子会社を含む。))の財務諸表等の作成や財務分析に関する業務を担当した。
3.銀行や保険会社等における、貸付け、債務の保証その他これらに準ずる資金の運用に関する事務
○銀行において、法人融資の業務を担当した。
○保険会社において、株式での資産運用のために各企業の財務内容調査の業務を担当した。
○保険会社において、投融資審査、社内格付付与、業界レポート作成の業務を担当した。
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※民間法人における実務従事として実際に認められた事例については、こちら(EXCEL:71KB)をクリック。
法令で定められた公的機関の業務 ●国又は地方公共団体の機関における、国若しくは地方公共団体の機関又は資本金額5億円以上の法人、開示会社又はこれらの連結子会社(海外の子会社を含む。)の会計に関する検査若しくは監査又は国税に関する調査若しくは検査の事務
●国又は地方公共団体の機関における、原価計算その他の財務分析に関する事務
実例 ○国税局において、税務調査の業務を担当した。
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○県庁において、市町村の財務監査や地方交付税に関する検査の業務を担当した。
○市役所において、地方公営企業に係る決算書類作成業務や財務諸表の分析に関する業務を担当した。
(注) なお、「実務従事」の審査においては、「実務従事」として認められる業務に該当するかどうか、所属部署、職種などによって一律・形式的に判断するものではなく、当該業務において、継続的に法令で定められた事務(財務分析に関する事務等)を行っていたかどうか個別に判断することとなりますので、ご質問等がありましたら金融庁までご連絡願います。
- Q3
業務補助等報告書の提出方法について教えてください。
- A3
-
公認会計士試験に合格し、公認会計士の登録を受けようとする者は、実務経験(業務補助等)について確認を受けるため、業務補助等報告書を住所地を管轄する財務局等に、正本(1部)及びその写し(1部)を提出する必要があります。
なお、業務補助等報告書の提出に当たっては、80円切手を貼付し、住所、氏名を記載した返信用封筒【長3サイズ】を同封してください。返信される受理番号の通知書は、公認会計士の登録の際に必要となります。
また、報告者本人と平日の昼間に連絡が取れる電話番号(自宅・携帯電話・勤務先など)を明記した紙を同封してください。
- Q4
業務補助等報告書の添付書類について教えて下さい。
- A4
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業務補助等報告書には、業務補助を行った公認会計士・監査法人等、又は、実務従事を行った法人の代表者若しくはこれに準ずる者が証明した業務補助等証明書を添付する必要があります。
なお、実務従事の場合は、上記証明書のほか、(1) 当該実務に従事した法人等の概要、(2) 実務従事者が直接担当していたことが確認できる書類及び(3) 労働時間数が確認できるもの(一週間の所定労働時間が同一の法人に雇用される通常の労働者の所定労働時間よりも短い場合のみ)を添付してください。
- (実務従事の場合の添付書類例)
(1)従事した法人等の概要がわかるもの
会社案内、HPの該当部分等(従事した期間の資本金や株式上場の状況、関係会社の状況等が分かるもの)
(2)直接担当していたことが確認できるもの
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○在職証明書(期間を証明したもので、代表権のある者が発行したもの)、会社の座席表、社員名簿等
○業務分掌規程、組織図等
○実務従事者が作成したことが確認できる原価計算書、財務分析レポート等(実務従事と認められる業務を直接行ったこと及びその業務内容が確認できるもの)
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(3)労働時間数が確認できるもの(一週間の所定労働時間が同一の法人に雇用される通常の労働者の所定労働時間よりも短い場合のみ)
労働時間数が確認できる書類(記載例)(PDF:86KB)
- (実務従事の場合の添付書類例)
申請様式
記載例
(参考)企業における実務従事の具体的な記載例
- Q5
実務補習について教えてください。
- A5
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公認会計士の登録要件である実務補習は、公認会計士試験に合格した者が、公認会計士となるのに必要な技能を修得するために受ける研修です。
実務補習の概要 内 容 : 会計・監査・経営・税・コンピュータなどに関する理論及び実務、公認会計士の業務に関係ある法規及び職業倫理
形 式 : 実務に関する講義、ディスカッション及び課題研究(レポート)等
期 間 : 原則3年間
※実務経験(業務補助等)の期間が2年以上ある者については、1年又は2年に短縮が可能
※3年の場合、基本的には、1年目に約70%、2年目に約20%、3年目に約10%の配分で単位を取得
必要単位を取得した後、日本公認会計士協会が実施する修了考査に合格することで、実務補習の修了となります。
実務補習は、通常、平日夜間に講義を行っておりますが、主に土曜日を利用して講義を実施するクラスの設置や、自宅などで都合よい時間にパソコンで視聴できる講義(eラーニング)など、一般企業に勤務している方でも受講しやすくなるよう、取組みを進めております。
実務補習は、現在、一般財団法人 会計教育研修機構において行われておりますので、内容に関するお問い合わせは、会計教育研修機構へご連絡願います。
電話番号:03-3515-1127URL:
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